高尿酸血症
血液中の尿酸値が高い状態が続くと、高尿酸血症と診断されます。ここでいう「尿酸」とは、細胞の代謝や体を動かすエネルギーとして重要なプリン体を分解したときにできる老廃物のことをいいます。尿酸は腎臓から排泄されますが、この腎臓からの排泄量が低下すると、高尿酸血症になります。また、プリン体を過剰摂取する方も、尿酸がたくさん作られてしまうため、高尿酸血症になりやすいです。肥満などの方の場合、その両方の要因が強まるため、尿酸が処理しきれずに血液中に溜まってしまい、高尿酸血症のリスクが高まります。
痛風
尿酸は水に溶けにくいため、高尿酸血症の状態が続くと、次第に針状に結晶化していきます。これが関節に蓄積すると、炎症反応が起こり、激痛を招きます。これが「痛風」です。様々な部位で起こりうるのですが、とくに足の親指の付け根が激しく痛むことが多いです。なお、高尿酸血症の状態が続いていても、痛風発作が起こらない患者さまもいらっしゃいます。しかし、尿酸の結晶が腎臓に溜まると、尿路結石の原因となります。これによって腎機能の低下につながってしまう場合もあるので、きちんと治療を受けておくことが大切です。
このような方は注意が必要です
- プリン体の多い食品をよく食べる
- ビールなどを飲み過ぎることがある
- 清涼飲料水をよく飲む
- 激しい運動をすることがある
- 内臓肥満が蓄積している
- 血縁者に痛風の人がいる
- 水分をあまり飲まない
痛風(高尿酸血症)の治療
痛風の患者さまは、お薬によって発作や炎症を抑えたり、痛みを和らげたりするための薬物療法を行います。これによって痛風発作が落ち着きますが、高尿酸血症の状態が改善しているわけではないので、尿酸値を長期にわたって下げていく治療が必要になります。そのためには、食事療法や運動療法が欠かせません。
このうち食事療法では、プリン体を多く含む食品の摂取を控えめにします。一方、野菜や海藻、きのこ類は積極的に摂取します。アルコールは尿酸値を上昇させるので飲み過ぎないようにします。運動療法としては、ウォーキングやサイクリングなど軽めの有酸素運動を毎日30分程度は行います。なお、食事療法や運動療法だけでは尿酸値が下がらないときは、薬物療法として、尿酸の生成を抑制する薬や尿酸の排泄を促す薬などを使用します。