肥満症
私たちが食事などで摂取したエネルギーは、健康的に生きていくために必要です。しかし、過食などでエネルギーを過剰に摂取してしまったり、十分な運動を行っていなかったりすると、消費されることがないエネルギーが皮下脂肪や内臓脂肪となって体内へ蓄積されるようになります。これによって体重が増えて過ぎている状態が「肥満」です。この状態をそのまま続けていると、健康障害を引き起こしたり、そのリスクが高い状態に陥ったりして、「肥満症」となります。具体的には、肥満の方が糖尿病や高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群などの病気になっているときは肥満症と診断されます。
早い段階で治療を受けることが大切です
肥満になってもとくに気にされず、放置されている方もいらっしゃるようですが、そのような状態が続くと、動脈硬化を進行させ、気づいた時には心臓病や脳卒中などの疾患を発症することもあります。最終的には命に直結する病気のリスクを高めてしまいますので、なるべく早い段階で医療機関を受診し、必要な治療を受けるようにしてください。
肥満の判定方法
肥満を判定する方法ですが、計算式によって導き出すことができます。具体的には、BMIを活用します。これは、身長あたりの体格指数を示す指標となります。計算式は次のとおりです。
BMIの計算式
BMI = 体重(㎏)÷ ( 身長(m)の2乗 )
例えば身長が1.65メートル、体重が75キログラムの方は
1.65 × 1.65 = 約2.72
75 ÷ 2.72 = 約27.5
すなわち、この方は、肥満1度となります(下表参照)。
BMIによる肥満度の判定
BMIの計算法によって、この値が18.5以上25未満の方は標準と判断されます。この数値が25以上の方は肥満と判定されます。肥満度につきましては、4段階に分けられていますが、肥満度3以上の場合が重症肥満で、薬物療法などの治療が必要になります。
BMI | 肥満度 |
---|---|
18.5未満 | 痩せ(低体重) |
18.5以上25未満 | 標準(普通体重) |
25以上30未満 | 肥満1度 |
30以上35未満 | 肥満2度 |
35以上40未満 | 肥満3度 |
40以上 | 肥満4度 |